アルギニンとは? 気になる効果や、副作用についてまとめました!
公開日 : 2021/03/17 更新日 : 2021/03/19

こんにちは!
メディア事業部の若林です!
今回は成分シリーズ
「アルギニン」をまとめました!
アルギニンとは?

アルギニンは1886年にルピナスというマメ科の植物の芽から発見された非必須アミノ酸の一種です。
体内で合成できるので、非必須アミノ酸に分類されていますがその生成量は十分ではなく、不足分は食事などで摂取する必要があるので、準必須アミノ酸とも呼ばれます。
特に子供では生産量が少なく必要量が作り出せない為、積極的に摂取させる必要があります。
大きなけがや体力の消耗が激しいときなども積極的に摂取するのことがすすめられています。
アルギニンを多く含む食材
アルギニンを多く含む食材はたくさんあります。スタミナ食といわれるニンニク、うなぎ、卵黄にも含まれますが、ナッツ類、しらす干しやイワシなどの小魚などにも豊富です。
食材 | mg(可食部100gあたり) |
大豆 | 2800 |
アーモンドやクルミなどナッツ類 | 2200~3000 |
しらす干し | 2400 |
鶏むね肉(皮なし) | 2500 |
ニンニク(ガーリックパウダー) | 4000 |
牛肉(もも) | 2100 |
アルギニンの効果
アルギニンはシトルリンと共に多くの効果を期待される成分です。
アルギニンとシトルリンの違い
同じサプリメントに配合されることが多いアルギニンとシトルリンですが
それにはきちんと理由があります。
二つの違いを説明するために、
まずはアンモニアの分解を行う尿素回路(オルニチン回路)を紹介します。
※尿素回路とは
尿素回路とは体内で毒となるアンモニアを最終代謝産物である尿素へ変換する代謝回路です。
アミノ酸がエネルギーとして活かされる際にアンモニアが生成されます。
アンモニアは肝臓へ運ばれ、炭酸ガスと結合してカルバモイルリン酸となり、さらにオルニチンと結合してシトルリンとなります。
その後、アスパラギン酸、アルギノコハク酸になり、アミノ基が加わることでアルギニンになり、アルギニンから尿素が切り離されることでオルニチンに戻るサイクルです。
カタカナが多くてわかりにくいですね。
簡単に言うと、
「アンモニアを尿素に変換するためにシトルリンはアルギニンに変わる」
ということです。
アルギニンはアルカリ性なので、胃腸に負担をかけ胸やけが起こる可能性もあるので多量な摂取はあまり推薦されません。
そこでシトルリンも同時に摂取するとシトルリンがいずれアルギニンに変わるので2つを併用して摂取することがすすめられています。
疲労回復
先ほどの尿素回路はアンモニアの変換サイクルでしたが、アンモニアは疲労物質ともいわれます。
エネルギー生産の副産物で運動後の体内にはアンモニアが多くなります。
アンモニアは体内に蓄積されると疲労の原因となります。
そして恐ろしいのが疲労臭と呼ばれるような体臭になることもあります。
臭いと思われるのは嫌ですね。
アルギニンやシトルリンのアンモニア変換の働きで体臭も抑制する効果が期待できます。
アルギニンを摂取することで血中のアンモニア濃度の低下が認められたラットの実験結果からも、運動後の疲労回復にアルギニンが効果的といわれています。
肌の保湿機能の維持
アルギニンは肌の表皮の角質層のうるおいを保つ働きもあります。
肌の角質層に存在する天然保湿因子(NMF)は肌の水分保持には欠かせない物質です。この天然保湿因子(NMF)は構成成分の約半分がアミノ酸と言われており、そのアミノ酸にアルギニンも含まれています。
肌に水分を抱え込みしっとりと若々しいお肌にしてくれるのがアルギニンの働きです。
さらに血行促進効果は顔色の改善、糖化抑制効果で真皮層のコラーゲンやエラスチンの老化を防ぎ、シミやたるみの改善なども期待できます。
※肌の糖化とは?
活性酵素によって体内が酸化することを「身体がサビる」と表現されますが、糖化は「身体のコゲ」と表現されます。
糖化は過剰に糖分(炭水化物)を摂取しすぎると起こります。
糖分を摂取すると血糖値が上がりますが、体内で処理しきれなかった糖はたんぱく質と結合して最終的にはAGEsという物質になります。
このAGEsが身体をコゲさせる原因になります。
肌に蓄積されれば、シワ、たるみの原因に。
血管に蓄積されれば、血管がもろくなり心筋梗塞などの原因に。
骨に蓄積されれば、骨粗しょう症の原因に。
糖化の対策は食事の順番(野菜を最初に食べるベジファースト)に気を付ける,食後の運動など、血糖値の急激な上昇を防ぐことが大切です。
免疫力の向上
アルギニンを摂取すると体内でマクロファージと呼ばれる免疫細胞が活性化するようになります。
マクロファージ(大食細胞)は体内に侵入してきた細菌やウイルスを食べて
身体を守る働きをする白血球の一種です。
免疫細胞の働きを活性化して、いわゆる免疫力を上げることが期待できます。
また、傷や手術の後の回復を促し感染症などの合併症を防ぐ為アルギニンは輸血にも使用されます。
精子に対する良い効果
アルギニンは精子の成熟にも関わる成長ホルモンの分泌を促す為、精子の数や量などの質を向上させるとともに精子の運動性に重要なポリアシンを生成します。男性不妊症の改善にも効果が期待されています。
血行促進と冷え性、むくみ、EDの改善
血行不良は身体の冷えや、むくみを引き起こします。
EDは老化、糖尿病、高血圧、高脂肪症、肥満、喫煙、ストレスなどの様々な要因により勃起をコントロールする神経系、血管系、内分泌系(男性ホルモン量)に異常がおこり、一酸化窒素(NO)の生産量が減り、血管拡張しにくくなることで起こると考えられています。
アルギニンを摂取すると一酸化窒素(NO)の生産を促す為、血管が拡張されて血流が促進されます。
その結果として身体の冷えやむくみの改善と共に、EDの改善にも効果が期待できます。
※一酸化窒素(NO)とは?
一酸化窒素とは酵素と窒素からなる無機化合物の一種で、 血管内皮細胞から血中に産生され、血管拡張などの働きをします。 一酸化窒素(NO)は歳と共に分泌量が減っていきます。
一酸化窒素の減少は動脈硬化や高血圧などの症状を悪化させる原因になる可能性が考えられます。
効果的な摂取量とタイミング
厚生労働省で摂取量は正確には決められていませんが、
効果的なアルギニンの一日の摂取量は2000~4000mg以上で、
炎症や褥瘡などの創傷がある場合は5000~7000mg程が
摂取量の目安と言われています。
アルギニンを摂取する時にクエン酸(酢の物など)を一緒に摂取すると
アルギニンのアルカリ性がクエン酸で中和されて合理的です。
アルギニンは摂取後30分程で最大の血中濃度に達し、
その後2時間後には半分ほどになり、
4時間ほどかけて元の血中濃度レベルになります。
一酸化窒素(NO)が生成されるのは血中濃度が最大値になった少し後で、
アルギニン摂取後90分程経つと血流が最大になることが検証されています。
運動前の1時間~90分前にアルギニンを摂取することで
血行増進や持続力のアップが体感できるかと思います。
成長ホルモン分泌の促進
成長ホルモン分泌は10代がピークです。
大人になっても分泌はされますが、その量は少なくなってくるので傷の治りも大人のほうが遅くなるのです。
加齢のほかにも、運動不足やストレス、睡眠不足でも分泌量は少なくなります。
アルギニンをとることで脳の脳下垂体から分泌される成長ホルモンの分泌を促す作用があるといわれています。
アルギニンを取ると背が伸びると言われるのはこの作用に期待されているからです。
実際にこの作用を使って成長ホルモン分泌刺激試験で薬としてアルギニンは使われています。
アルギニンを一日140mg、7日間摂取させた実験では夜間の成長ホルモン分泌量が増えたという結果もでているそうです。
しかしサプリメントから摂取するアルギニン量は薬に比べると少なく、サプリメントによる作用は少し疑心的です。なので過度な期待は禁物です。
抜け毛を防ぐ、毛の成長に関わる
髪の毛の成分であるケラチンにもアルギニンは含まれます。
さらに毛の成長を司る毛母細胞(毛包)の老化を防ぐ役割もあります。
髪の栄養は毛細血管から運ばれるので頭皮の血行不良は髪にとっても問題です。スカルプマッサージなど外側からのケアも大事ですが、
アルギニンは上でも紹介しているように血行促進効果があるので髪に栄養を届けるためにも必要な成分です。
アルギニンによる副作用とは?

アルギニンはアルカリ性の為、過剰に取りすぎると胃腸に負担がかかり胃痛や下痢、胸やけを引き起こすことがあります。
バイアグラなどの血管拡張作用がある医薬品とアルギニンを同時期に摂取する場合は医薬品の効果を思いがけず強くする可能性があるのでかかりつけのお医者さんに相談した方が安心です。
子供の場合、成長期にアルギニンを過剰摂取すると、巨人症になる可能性があるので注意が必要です。
アルギニンとヘルペスウイルス
疲れやストレスなどで繰り返し現れる口唇ヘルペスなどの原因になるヘルペスウイルスは、アルギニンを餌に活性化するといわれています。
疲労回復や免疫機能をアップするなどの効果でむしろヘルペスを防いでくれそうなのに不思議ですね。
ヘルペスが出やすい方などは、アルギニンを排除したくなりそうですが、アルギニンをやめるよりもヘルペスの症状が出てしまった場合はリジンという成分を多く取る様にしましょう。
リジンもアミノ酸の一種ですが、アルギニンと拮抗してヘルペスウイルスの増殖を抑える効果が期待できます。
大豆、チーズ、鶏肉、かつお節、サバなどにリジンは多く含まれます。
ちなみに、不安な気持ちやストレスにもアルギニンとリジンの同時摂取が効果的という研究もされています。
参考サイト:文部科学省(食品成分データベース)まとめ
ここまでアルギニンの効果や副作用を詳しく調べて書き出してみました。
アルギニン単体に期待される効果は成長ホルモンの分泌促進や、筋肉の増強、肌の水分保持、血流促進、疲労回復などです。
最初にも書きましたがアルギニンの効果はシトルリンとよく似ています。
身体の作用に順番で使われ、相互作用があるため、関わりが深い成分であり、よくセットでサプリメントに配合されるのでしょう。
シトルリンの効果や副作用も別の記事に詳しくまとめています。
よかったら見てみてくださいね。
サプリメントは栄養バランスを大切にうまく取り入れていきましょう。
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